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1.関東財務局の過ち

相続税の物納について、相続税を現金で納められないときに、不動産などの現物で納めることだと前に書きました。 そして、その中には、土地上に借地人がいる物件があることも。 実はそういう物件は少なくありません。 物納するくらいですから、相続財産にたくさんの不動産があります。 相続人としては、当然、持っていたくない不動産を選んで物納することになります。 代表的なのが借地人のいる物件、つまり他人に土地を貸していて、借地人が土地上に建物を建てているような物件です。 地主には地代が入るとはいえ、額は知れています。 もっと効率よく使いたくても、借地人は法律で手厚く保護されており、まず土地が戻ってくることはありません。 そこで、このような土地を物納に出すわけです。


物納を受けた国としては、土地を売却して現金化できれば一番いいのですが、そうもいきません。 こんな土地を買うのは、借地人かその相続人くらいです。 借地人は買い受けるだけの資力がないことが多いので、国は何とか土地の評価を下げて、売り払おうとします。 例えば、借地人は借地権を持っているので、財務局は借地権の及ぶ範囲を過大に評価して土地の評価を下げようとすることもあります。 少しでも高く売るどころか、少しでも値を下げて早く売りたいのです。


借地人は高齢化しており、地代の滞納も少なからず発生します。 滞納があっても督促がゆるいことは前に書きました。 「国がそこまでやるのか」と批判されるのを恐れているのです。 本当は国だからこそ、公平公正にやらなければいけないのに、「気の毒だから」という職員の感情に左右されている部分があります。 この点は同じ財務省でも国税庁と大きく異なる部分で、財務局は債権回収というノウハウが低いのです。


地代をとるのは、相続税を少しずつもらっているようなものといえるでしょう。 財務省は消費税率を上げたがっているし、国税庁は少しでも税金を多くとろうとするのに、財務局が国有地をなるべく安く売ろうとしたり、地代の回収に熱心でなかったりするのはおかしなことです。 余談ですが、1億円で売った国有地から地下埋設物が出てきて、その撤去費用を損害賠償として1億円近く払うなどは、財務局では珍しくない話です。


地代の督促はゆるいですが、遅延損害金は1円たりとも負けませんから(法律でそうなっています)、滞納すると負債が日増しに増えていきます。 その点では、むしろ民間より酷です。 何年も滞納が溜まったところで、仕方なく追い出しにかかります。 そのときには滞納も百万単位になり、借地人には既にどうすることもできなくなっています。 債権管理は早期対応が鉄則です。


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